音屋がGlobal Game Jam2014に参加した話


全世界同時開催、48時間でゲームを制作する”GGJ”

1月24日から26日に掛けて、Global Game Jam2014(以下GGJ)に参加しました。
GGJとは初対面のクリエイターとチームを組み、テーマに沿って48時間でゲームを1本作るイベントです。
初めて参加をしたのはGGJ2012でしたが、その時に作ったゲームはこちら。

rinnne>>>R.I.N.N.E>>> ... http://archive.globalgamejam.org/2012/rinne

当時はUnityの中の人、大前氏を筆頭に実力のあるメンバーに恵まれて刺激的な48時間を過ごしました。

あれから2年。当時は運営スタッフと兼業だった為に開発に全力を注げた訳ではなく、またゲームの制作経験もなかった為にチームの方に迷惑をお掛けする事もありましたが、今回は違います。

純粋に1人のクリエイターとしてはじめての参加、はじめてのフル参加GGJ。
…と言ってもゲーム制作はまだまだ素人なのですが、果たして何が出来上がるのやら。

「英語の長文」というテーマに苦しんだ序盤

今年のテーマは真意を読み解くのが非常に難解なワードでした。

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=z2w9VIMDN5o?rel=0]

ゲームの企画を練る前に、文章の意味を読み解かねばなりません。 チーム総出で意味合いを考える事4時間。なかなか企画立案には至りません。

そうそう、ちなみに今回のチームは社会人組が3人と学生が4人。合計7人のチームでした。
社会人組はバランスが良く、手数多めなグラフィックとサウンド、GGJ慣れしたプログラマという構図。

プログラム-fumi氏: https://twitter.com/fumilin 
グラフィック-典樹氏: http://www.pixiv.net/member.php?id=5109995
サウンド-GuLa(わたしです): http://nine-gates.com/
 ※実は2人とも以前のGGJでお知り合いになっており、2年前には典樹さんのチームに音楽を提供していた事も…。

このメンバーならゲームの外面はどうとでも飾れるな…というのが第一印象でした。

さて、肝心のゲームについてですが、結局このテーマは「2つの世界、二面性」という解釈をされ、その結果「別の世界(=本の中の世界)に干渉してお話を進めて行くゲーム」が企画として上がりました。

本の見開きの右側のページからキャラクターが自動で歩き出し、左端へ向かいます。 キャラクターが右側を歩いているThinking TIme中に左側にある障害物を全て取り除き、安全を確保。

re左側ページにキャラクターが到達したらプレイヤーは見守るだけ。左端に辿り着けばクリアです。

残念ながら私はゲームシステムや仕様について考えるには力不足で、絵本に干渉する部分をどうゲームに仕立てるのかはfumi氏と学生の皆さんにお任せでした。

このゲームの音楽制作で考えたこと

そんなこんなで、絵と音で世界観を構成すべくアート組は早速作業に取り掛かります。
音楽は形になるのが早いので、大体はゲームが固まって来る前にデモ楽曲が完成します(最初にデモ楽曲を上げたのは一日目の夜でした)。
多くの場合音楽は末端工程であり、ゲームがある程度組み上がってからの制作となるのが常ですが、GGJではそれが逆転します。
コンセプトアート的に音楽が先行して世界観を牽引していく事が出来る点も面白さのひとつです!

2さて、今回の持ち込み機材はFireface UCXとギター、その他SlimbladeやQ701、iPadなど細々したものたち。 KX49やディスプレイなど持ち運ぶのが難しい大型のものはアンドー君(@kensho_ando)からお借りしました。

結論から言えば今回はギターもU5も使わなかったのですが、持って行った機材を全て使い切らなくてはいけないという取り決めもありません。 世界観に合わないなら封印です。

備えあれば憂いなし、という心持ちで臨みます。

ゲームの音楽というと、「シーンに沿った音楽を作る」というのが大前提。

ドラクエだって町には町の音楽が付いているし、洞窟には洞窟の音楽が付いています。 今回制作したゲームも「草原のステージ」「森のステージ」など複数のステージに分かれていました。

しかし、このゲームの場合は1ステージが8秒固定(※1)。 その都度音楽を変えるとめまぐるしくて仕方がありません。
※自動で動くキャラクターを見守る時間はプレイヤーにとって「待ち」になり、その時間が余りに長いとダレてしまうため8秒に設定

という訳で、8秒ごとに少しずつアレンジが変わっていく1曲を作りました。

[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/131434800″ params=”auto_play=false&hide_related=false&visual=true” width=”100%” height=”100″ iframe=”false” /]

シンプルイズベスト。コピーペーストイズイージーです。下記がそのステージ構成。

0:00〜0:07:Stage01—草原(絵本の中へ): 基本となるアコギとピアノのフレーズ
0:08〜0:15:Stage02—平原: ベースラインとパーカッションの追加
0:16〜0:23:Stage03—森林: 森林のモチーフとしてのオーボエを追加
0:24〜0:31:Stage04—森林深部: 奥深さを出す為にフルートを絡ませてみる
0:32〜0:39:Stage05—底なし沼: 怖い雰囲気を出す為にコード進行を変え、トレモロストリングスを追加
0:40〜0:47:Stage06—湿地帯〜平原への道: 怖いステージから再び明るいステージに戻るためのフック
0:48〜0:55:Stage07—平原02: ストリングスとスネアロールの追加でスピード感を出してみる
0:56〜1:03:Stage08—ゴール地点近辺: 取りあえず今までの楽器全部出してみて賑やかしてみる
1:04〜1:19:エンディング:
1:20〜:スタッフロール(絵本の外へ戻る)

ざっくりとしたイメージは初日の夜に制作し、翌日ステージ構成が定まったところで展開を考えました。
ステージ構成がFIXになるまでに時間を要したためミックスまでは手が回らず、マスターにVBC(※)をインサートしただけで個別トラックのケアはほとんどしていません。反省。
※取りあえず挿しとけ!的に使えるバスコンプ。某4000シリーズ・コンソールのモデリング「FG-GREY」を良く使います。

SEも全て音楽で表現しようと言う事で、例えばりんごが落ちた音をピアノの下降フレーズで表したり、石につまずいて転んだ時の音がパーカス系の音色だったり、狼が襲って来る時の音をオーケストラヒットで表現したりしています。
可能であればSEをクオンタイズしてBGMと絡むタイミングに鳴る所まで実装出来れば良かったのですが、それは間に合わず。

音楽演出は必須ではないので、プログラマー的には当然後回しにせざるを得ません。 この辺りはやはり自分で実装出来る所まで行った方が良さそうです(2年前から何も成長していない…)。

「雰囲気ゲー」と言われたリシカの絵本の完成(?)

res

苦労の末完成した作品がこちら。
「リシカの絵本」
http://globalgamejam.org/2014/games/%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%82%AB%E3%81%AE%E7%B5%B5%E6%9C%AC

風呂敷を広げ過ぎたためか、当初予定していたゴール地点に到達は出来ませんでした。
が、それは恐らくどのチームも同じ。 GGJはなかなかどうしてもくろみ通りにはなりません。
しかし、和み系のグラフィックと音楽で、良い雰囲気が出ているとの評価も頂きました。

そもそもゲームに音楽は必須ではありません。通常は音楽がなくても、遊べるものは遊べます。
GGJの様な短期間開発ではゲームの根幹部分に注力する余り尚のこと軽視されがちな要素であり、このチームのように専属のサウンドが居ない場合は音楽による「演出」は後手に回りがち。
そういった中においては、それなりに演出部分に比重を置いた作品だと思っています。

今後のこと

志し半ばで完成(タイムアップ)したリシカの絵本。
ブラッシュアップを行った上でニコニコ自作ゲームフェスに出したい、という話が進行中です。

間に合うかどうか定かではありませんが、せっかくならチームで一緒になった学生達のポートフォリオとして、あるいは我々社会人組の思い出(?)として活用出来るようにと鋭意制作をしております。

何か進展があればこちらのブログで記事にしますので、気長にお待ち頂ければ幸いです。